ドジャースの大谷翔平は、8/23(日本時間8/24)、レイズ戦で先発出場し4回に40盗塁を達成した。さらに、3-3の同点で迎えた9回裏、2アウト満塁で打席を迎えた大谷翔平がサヨナラ満塁ホームランを放ち、40本塁打に到達。
これで、大谷翔平は、メジャー史上6人目の40-40(40本塁打&40盗塁)をなんとメジャー史上最速の126試合目で達成。劇的なサヨナラ満塁ホームランで偉大な記録を見事に達成した。今回は、この「40-40という記録がいかにすごいか」という記事を中心に紹介していこうと思います。
大谷翔平が史上最速で達成した40-40のすごさとは?
大谷翔平によって日本人史上初めて達成された「40-40(40本塁打&40盗塁)」。
100年を超えるメジャー史上において大谷が達成するまではわずか5人(しかも全員大打者)しかいなかった偉大な記録。
この40-40の記録とはどれほどすごい記録なのでしょうか。
「40-40」を初めて達成したのは、1988年のホセ・カンセコ(アスレチックス/42本塁打40盗塁)。メジャーリーグの歴史は1876年に始まる。つまりカンセコが達成するまで100年以上も存在しなかった40-40という記録。これだけでいかにすごい記録かわかると思います。
本来、本塁打を量産するスラッガーと、盗塁を量産するスピードは長らく相容れないものだったのですが、近代野球になり身体能力に優れたアスリート型の選手の出現したことで可能になった記録。つまり、40-40を達成した選手は、卓越したパワーとスピードを兼ね備えた最強の打者とも言えます。
今シーズンの現役選手の成績を見てみたいと思います。
8/31(日本時間9/1)時点でホームラン20本以上打っているパワーのある選手で盗塁20以上記録している選手が何人いるか調べてみると、
ナ・リーグでは、
20本塁打以上の選手=27人中、20盗塁以上記録している選手は4人のみ。
(20盗塁以上の選手=15人中、20本塁打の選手は4人のみ)
その4人は以下になります。
・大谷 44本、43盗塁
・リンドア 28本、25盗塁
・ドイル 22本、25盗塁
・デラクルーズ 22本、61盗塁
ア・リーグでは、
20本塁打以上の選手=23人中、20盗塁以上記録している選手は4人のみ。
(20盗塁以上の選手=9人中、20本塁打の選手は4人のみ)
その4人は以下になります。
・ラミレス 33本、34盗塁
・ウィットJr. 29本、27盗塁
・デュラン 21本、32盗塁
・ネト 20本、25盗塁
この中で現時点で40-40を達成している選手は大谷選手のみで、30-30でもわずか一人となっています。この結果、本塁打と盗塁の両立がいかに難しいかわかるかと思います。
40-40達成者一覧
これまで40-40を達成した選手は、大谷を含めてメジャー史上わずか6人のみ。
ただ、メジャーリーグは昨年大幅なルール変更があり、以前より盗塁がしやすくなったのも事実。
(ピッチロックにより投球間隔が制限され、投手が3度けん制してもアウトにできなければ走者に進塁が許される、ベースが約38センチ四方から約46センチに拡大したことでベースの端から端までの距離もわずかに縮まったことなど)
それにより、昨年、早速、アクーニャJr.(ブレーブス)が「41本塁打、73盗塁」をマークし、17年ぶりに「40―40クラブ」入りした。もちろん、ルール変更がされたとはいえ、足の速い選手といえどリーグ全体でも40盗塁を超えるのは簡単ではない。
MLB40-40達成者【40本塁打&盗塁】 | ||
---|---|---|
達成年度 | 選手名 | 最終成績 |
1988年 | J.カンセコ | 42 - 40 |
1996年 | B.ボンズ | 42 - 40 |
1998年 | A.ロドリゲス | 42 - 46 |
2006年 | A.ソリアーノ | 46 - 41 |
2023年 | R.アクーニャJr. | 41 - 73 |
2024年 | 大谷翔平 | 40 - 40 |
※大谷は8/23時点
40-40達成までにかかった試合数
これまで40-40を達成した史上最速の選手は、2006年のナショナルズ時代にアルフォンソ・ソリアーノの147試合目。
他の4人は150試合以上かかっています。
しかし、今季、大谷選手がわずか126試合で40-40を達成し史上最速記録を塗り替えました。
MLB40-40達成に要した試合数(達成スピードランキング) | |||
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達成年度 | 達成までの試合数 | 選手名(達成時在籍チーム) | 達成年度 |
1位 | 126試合 | 大谷翔平(ドジャース) | 2024年 |
2位 | 147試合 | アルフォンソ・ソリアーノ(ナショナルズ) | 2006年 |
3位 | 151試合 | ホセ・カンセコ(アスレチックス) | 1988年 |
3位 | 152試合 | ロナルド・アクーニャ(ブレーブス) | 2023年 |
5位 | 153試合 | アレックス・ロドリゲス(マリナーズ) | 1998年 |
6位 | 158試合 | バリー・ボンズ(ジャイアンツ) | 1996年 |
40-40達成者の通算成績
40-40を達成した選手はバリー・ボンズやアレックス・ロドリゲスとどれもメジャー史上に残る大打者ばかり。
その通算成績をまとめてみました。
MLB40-40達成者の通算成績 | |||||
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達成年度 | 選手名 | 40-40達成年成績 | 通算本塁打 | 通算盗塁数 | |
1988年 | J.カンセコ | 42 - 40 | 462本 | 200盗塁 | ※ステロイド使用 |
1996年 | B.ボンズ | 42 - 40 | 762本 | 514盗塁 | ※ステロイド使用疑惑 |
1998年 | A.ロドリゲス | 42 - 46 | 696本 | 329盗塁 | ※ステロイド使用 |
2006年 | A.ソリアーノ | 46 - 41 | 412本 | 289盗塁 | |
2023年 | R.アクーニャJr. | 41 - 73 | 165本 | 196盗塁 | ※2024年8/23時点 |
2024年 | 大谷翔平 | 40 - 40 | 211本 | 126盗塁 | ※2024年8/23時点 |
どの選手の成績も、まだキャリア中盤とはいえ大谷選手の数字が霞んで見えるほど素晴らしい成績です。
ただ、5人中3人(ホセ・カンセコ、バリー・ボンズ、アレックス・ロドリゲス)はステロイド時代(現在では禁止されているステロイドが黙認されていた時代)の選手。
(もちろん三者ともすごい才能豊かな選手なのは間違いないのですが、ステロイドが禁止されている現代の選手からみるとアンフェアな時代だったかもしれません)
クリーンな選手はソリアーノとアクーニャJr.選手と大谷選手の3人。
ステロイド時代の選手はと同じだけの成績を残すことは並大抵ではないですが、現役の大谷選手とアクーニャJr.選手には、できる限り素晴らしい成績を残してもらいたいものです。
本塁打&盗塁同数最多記録
これまでの本塁打&盗塁同数最多記録は、アレックス・ロドリゲスの42-42。
大谷は史上最速126試合で40-40を達成したのでどこまで記録を更新するか大注目されていましたが、40-40を達成したわずか1週間後に「43-43」を達成し、本塁打&盗塁同数のメジャーの記録をあっさり更新してしまいました。
かつてのレジェンド選手やメジャー関係者は、40-40を達成した大谷選手を「現代野球の象徴」「大谷選手の活躍は野球の未来を映す」とまで評しているようです。
そんな大谷選手には、40-40以上に期待されている大記録があります。
それは、メジャー史上初の45-45、50-50。
特に、これまで誰一人不可能だった「50-50」の大記録の達成は今季打者専念している大谷選手なら十分可能だとメジャーのメディアも野球ファンも大きな期待を寄せています。
果たして、残り1ヶ月で、これまで誰一人達成できなかった50-50という奇跡のような記録を大谷選手は達成できるのか、最後まで注目です。
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