今年度のMLB(メジャーリーグ)の各賞発表・MVPの表彰日程についてお伝えします。
メジャーリーグの各賞は日本時間の10月29日のロベルト・クレメント賞から始まり、11/22にMVP、11/23にハート&ハッスル賞で締めくくられます。
今季のメジャーリーグの賞の中でも最大の注目は、大谷翔平がDH史上初めてMVPを獲得できるかどうかですね。今年のMVPはいつ発表されるのか?気になる方が多いかと思いますが、今年のMVPは日本時間11/22に発表予定です。
MLB(メジャーリーグ)各賞の一覧、各賞の発表の日程・カレンダーの他、各賞の解説と受賞者を随時更新していきます。
メジャー各賞発表・表彰日程・MVP発表 2024
10月29日:ロベルト・クレメンテ賞
人格者で慈善活動を精力的に行っているメジャーリーグ選手に贈られる賞。年に1人だけ表彰される(2014年は2人)。
プエルトリコ出身のメジャーリーガー、ロベルト・クレメンテの生前の社会貢献に由来する。1971年の設立当初はコミッショナー賞(Commissioner's Award)であったが、1972年末、クレメンテが慈善活動中に事故死したことを受けて、1973年に当時のMLBコミッショナーであったボウイ・キューンにより賞の名称にクレメンテの名前が冠された。
★受賞者
ロイヤルズのサルバドール・ペレス捕手(34)は、2021年に大谷とホームランタイトルを争った強打の捕手として日本のファンにも記憶している方が多いかと思います。その年、48本塁打、121打点でア・リーグ2冠に輝いたペレスは母国ベネズエラの貧困地域で食料を提供し、子どもたちの手術費用の負担、小児病院へのおもちゃの寄付などの慈善活動を行っていることなどが評価されて受賞となりました。
11月4日:ゴールドグラブ賞
守備に卓越した選手が、ナショナルリーグ・アメリカンリーグの各リーグから各ポジション1人ずつ計9人、各チームの監督・コーチの投票によって選出される。初年度の1957年のみ各ポジション両リーグから1人ずつの選出、1958年以後は両リーグ各1人(外野は3人)の選出となった。最多受賞はグレッグ・マダックス(投手)の18回。★受賞者
【アメリカン・リーグ】 | ||||||||
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ポジション | 選手名 | 年齢 | 所属チーム | 受賞回数 | ||||
投手 | セス・ルーゴ | 34 | ロイヤルズ | 初 | ||||
捕手 | カル・ローリー | 27 | マリナーズ | 初 | ||||
一塁手 | カルロス・サンタナ | 38 | ツインズ | 初 | ||||
二塁手 | アンドレス・ヒメネス | 26 | ガーディアンズ | 3回目※ 3年連続 | ||||
三塁手 | アレックス・ブレグマン | 30 | アストロズ | 初 | ||||
遊撃手 | ボビー・ウィットJr. | 24 | ロイヤルズ | 初 | ||||
左翼手 | スティーブン・クワン | 27 | ガーディアンズ | 3回目※ 3年連続 | ||||
中堅手 | ドールトン・バーショ | 28 | ブルージェイズ | 初 | ||||
右翼手 | ウィルヤー・アブレイユ | 25 | レッドソックス | 初 | ||||
ユーティリティ | ディラン・ムーア | 32 | マリナーズ | 初 | ||||
【ナショナル・リーグ】 | ||||||||
ポジション | 選手名 | 年齢 | 所属チーム | 受賞回数 | ||||
投手 | クリス・セール | 35 | ブレーブス | 初 | ||||
捕手 | パトリック・ベイリー | 25 | ジャイアンツ | 初 | ||||
一塁手 | クリスチャン・ウォーカー | 33 | ダイヤモンドバックス | 3回目※ 3年連続 | ||||
二塁手 | ブライス・トゥラング | 24 | ブリュワーズ | 初 | ||||
三塁手 | マット・チャップマン | 31 | ジャイアンツ | 5回目※ 2年連続 | ||||
遊撃手 | エゼキエル・トーバー | 23 | ロッキーズ | 初 | ||||
左翼手 | イアン・ハップ | 30 | カブス | 3回目※ 3年連続 | ||||
中堅手 | ブレントン・ドイル | 26 | ロッキーズ | 2回目※ 2年連続 | ||||
右翼手 | サル・フレリック | 24 | ブリュワーズ | 初 | ||||
ユーティリティ | ジャレッド・トリオロ | 26 | パイレーツ | 初 |
今年は何と言っても、ア・リーグとナ・リーグ両リーグの若手遊撃手のスーパースター候補のウィットJr.(24)とトーバー(23)が初受賞をしたことではないでしょうか。ウィットJr.は今年、凄まじい成績でMVP級の大活躍。すぐ近い将来、この二人が球界を代表する選手になることでしょう。今後に大注目です。
11月6日:年間最優秀エグゼクティブ
★受賞者
今季のブリュワーズは名将クレイグ・カウンセルとエース右腕コービン・バーンズがチームを去ったにも関わらず、ナ・リーグ中地区を独走して2年連続の地区優勝。チームを成功に導いたアーノルドGMの手腕が高く評価されて受賞となりました。
11月9日:プラチナグラブ賞
各リーグのゴールドグラブ賞の受賞者の中からファン投票で1名を選び、「リーグで最も守備が上手い選手」を表彰するもの。
受賞者はまさに『ファンを魅了するメジャーリーグ最高の守備職人』とも言えます。
これまでの最多受賞回数は、ナ・リーグのホームラン王にして守備の達人であるノーラン・アレナドの6回。
★受賞者
ナ・リーグ:ブライス・トゥラング(ブリュワーズ)(初
11月13日:シルバースラッガー賞
シルバースラッガー賞は、ナショナルリーグ・アメリカンリーグの各リーグからその年のシーズンで最も打撃に優れていた選手が各ポジション1人ずつ計9人が、各チームの監督・コーチの投票によって選出されます。1980年、ケンタッキー州ルイビルのバットメーカーであるヒラリッチ&ブラズビー社が表彰を始めました。
史上最多の受賞は、73本塁打のシーズン最多本塁打記録保持者のバリー・ボンズで、外野手としての12回シルバースラッガー賞を受賞。それに次ぐ受賞回数は、野茂ともバッテリーを組んでいた捕手のマイク・ピアッツァと、今季大谷が達成した40-40の先人、『A・ロッド』こと、アレックス・ロドリゲスが三塁手として受賞した10回。
★受賞者
【アメリカン・リーグ】 | ||||||||||||||||||||||||||||
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ポジション | 選手名 | 年齢 | 所属チーム | 受賞回数 | ||||||||||||||||||||||||
捕手 | サルバドール・ペレス | 34 | ロイヤルズ | 5回目 | ||||||||||||||||||||||||
一塁手 | ブラディミール・ゲレーロJr. | 25 | ブルージェイズ | 2回目 | ||||||||||||||||||||||||
二塁手 | ホセ・アルトゥーベ | 34 | アストロズ | 7回目 | ||||||||||||||||||||||||
三塁手 | ホセ・ラミレス | 32 | ガーディアンズ | 5回目 | ||||||||||||||||||||||||
遊撃手 | ボビー・ウィットJr. | 24 | ロイヤルズ | 初 | ||||||||||||||||||||||||
外野① | アーロン・ジャッジ | 32 | ヤンキース | 4回目 | ||||||||||||||||||||||||
外野② | フアン・ソト | 26 | ヤンキース | 3回目※ 3年連続 | ||||||||||||||||||||||||
外野③ | アンソニー・サンタンデール | 30 | オリオールズ | 初 | ||||||||||||||||||||||||
DH | ブレント・ルーカー | 30 | アスレチックス | 初 | ||||||||||||||||||||||||
チーム | ヤンキース | |||||||||||||||||||||||||||
【ナショナル・リーグ】 | ||||||||||||||||||||||||||||
ポジション | 選手名 | 年齢 | 所属チーム | 受賞回数 | ||||||||||||||||||||||||
捕手 | ウィリアム・コントレラス | 26 | ブルワーズ | 2回目※ 2年連続 | ||||||||||||||||||||||||
一塁手 | ブライス・ハーパー | 32 | フィリーズ | 4回目※2年連続 | ||||||||||||||||||||||||
二塁手 | ケテル・マルテ | 31 | ダイヤモンドバックス | 初 | ||||||||||||||||||||||||
三塁手 | マニー・マチャド | 32 | パドレス | 4回目 | ||||||||||||||||||||||||
遊撃手 | ランシスコ・リンドア | 30 | メッツ | 4回目 | ||||||||||||||||||||||||
外野① | テオスカー・ヘルナンデス | 32 | ブルージェイズ | 3回目※ 2年連続 | ||||||||||||||||||||||||
外野② | ジャクソン・メリル | 21 | パドレス | 初 | ||||||||||||||||||||||||
外野③ | ジュリクソン・プロファー | 31 | パドレス | 初 | ||||||||||||||||||||||||
DH | 大谷翔平 | 30 | ドジャース | 3回目※ 2年連続 | ||||||||||||||||||||||||
ユーティリティ | ムーキー・ベッツ | 32 | ドジャース | 7回目※ 3年連続 | ||||||||||||||||||||||||
チーム | ドジャース | |||||||||||||||||||||||||||
ドジャースの大谷翔平が3度目の受賞。イチロー以来、日本人二人目の快挙!
今季正真正銘メジャーの一流打者の仲間入りを果たしたカブスの鈴木誠也は最終候補にあがっていましたが、惜しくも受賞ならず。
また、ここでも二人の若手のスーパースターが受賞しています。
今季、驚異的な活躍で堂々たるMVP候補に挙がっているウィットJr.(24)と、素晴らしい成績をあげ、今季の新人王候補に上がっているジャクソン・メリル(21)。
11月15日:オールMLBチーム
オールMLBチームは、2019年創設の比較的歴史の浅い新しい賞。
簡単に言えば『メジャーリーグの全選手をひっくるめて、一軍チームの選ばれし16人を決めましょう』という賞。
レギュラーシーズンの成績が評価対象で、両リーグ全体から先発投手(5人)、救援投手(2人)、捕手、一塁手、二塁手、三塁手、遊撃手、外野手(3人)、指名打者の計16人で1チームが組まれ、「ファーストチーム(1軍)」と「セカンドチーム(2軍)」に別けて表彰されます。ファン投票と専門家の評価によって決まります。
オールスターゲームは、シーズンの前半のみなので、シーズンを通して評価されるオールMLBチームがより正確なベストメンバーと言えます。
ちなみに、一軍・二軍合わせての史上最多選出者は、ドジャースのフリーマンで一塁手としての5回。2位は指名打者としてヨルダン・アルバレスの4回と先発投手としてコールの4回。
大谷翔平は、2021年は指名打者として一軍入り&先発投手として二軍入り、2022年は指名打者として二軍入り&先発投手として一軍入り、2023年は指名打者&先発投手ともに一軍入りの快挙。指名打者と先発投手で合わせて2021年〜2023年まで3年連続一軍入り中。
今季、日本人選手は、大谷、鈴木、今永がノミネートされている。
★受賞者
オールMLBファーストチーム(野手・DH) | |||||
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ポジション | 選手(年齢・所属) | 打率 | 本塁打 | 点 | 受賞回数 |
捕手 | ウィリアム・コントレラス(26・ブリュワーズ) | .281 | 23 | 92 | 初 |
一塁 | ブラディミール・ゲレーロJr.(25・ブルージェイズ) | .323 | 30 | 103 | 2回目 |
二塁 | ケテル・マルテ(31・ダイヤモンドバックス) | .292 | 36 | 95 | 初 |
三塁 | ホセ・ラミレス(32・ガーディアンズ) | .279 | 39 | 118 | 初 |
遊撃 | ボビー・ウィットJr.(24・ロイヤルズ) | .332 | 32 | 109 | 初 |
外野① | フアン・ソト(26・ヤンキース) | .288 | 41 | 109 | 3回目 |
外野② | アーロン・ジャッジ(32・ヤンキース) | .322 | 58 | 144 | 3回目 |
外野③ | ムーキー・ベッツ(32・ドジャース) | .289 | 19 | 75 | 4回目※3年連続 |
DH | 大谷 翔平(30・ドジャース) | .310 | 54 | 130 | 5回目※4年連続 |
オールMLBファーストチーム(投手・DH) | 勝 | セーブ | 防御率 | ||
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属性 | 選手(年齢・所属) | ||||
先発投手① | クリス・セール(35・ブレーブス) | 16 | 0 | 2.38 | 初 |
先発投手② | タリック・スクーバル(27・タイガース) | 18 | 0 | 2.39 | 初 |
先発投手③ | ポール・スキーンズ(22・パイレーツ) | 11 | 0 | 1.96 | 初 |
先発投手④ | ザック・ウィーラー(34・フィリーズ) | 16 | 0 | 2.57 | 初 |
先発投手⑤ | コービン・バーンズ(30・オリオールズ) | 15 | 0 | 2.92 | 2回目 |
救援投手① | エマニュエル・クラセ(26・ガーディアンズ) | 4 | 47 | 0.61 | 2回目 |
救援投手② | ライアン・ヘルスリー(30・カージナルス) | 7 | 49 | 2.04 | 初 |
大谷翔平はDHで選出され、4年連続5回目の選出となりました。
同僚のムーキー・ベッツ、ヤンキースの二冠王アーロン・ジャッジも選出されました。
今永は惜しくもファースト・チームには選出されませんでしたが、先発投手部門でセカンド・チームに選出されました。
11月15日:ハンク・アーロン賞
ハンク・アーロンが、ベーブ・ルースの通算本塁打記録を塗り替えてから25周年を記念して1999年に創設された賞。アメリカンリーグ・ナショナルリーグから、その年に最も活躍した最優秀打者がそれぞれ一人ずつ選出されます。
投票システムは毎年のように変遷し、2009年以降は、MLBの30チームからそれぞれ3人の候補が選ばれ、ファン投票によって各チーム1人、合計30人に絞られます。
そこから再びファン投票により最終決定されます。つまり、ほぼ完全にファン投票のみで選出される賞です。
同じように優秀な打者が選ばれる賞にシルバースラッガー賞がありますが、シルバースラッガー賞は、各チームの監督と3人のコーチの投票によって選出される点や受賞人数が異なります。
ハンク・アーロン賞は受賞者が各リーグに一人ずつなのでこちらの受賞の方が価値が高いと言えます。
受賞者数 | 投票者 | ||
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ハンク・アーロン賞 | 各リーグ1人(合計2人) | ファン | |
シルバースラッガー賞 | 各リーグ9人(合計18人) | 各チームの監督と3人のコーチ |
昨年は、ナ・リーグはアクーニャJr.(初)、ア・リーグは大谷翔平(初)が選出されました。
ちなみに、ハンク・アーロンは、長打力と盗塁技術を兼ね添えた伝説のバッター。
755本塁打はMLB歴代2位、2297打点は歴代1位、6856塁打は歴代1位、3771安打は歴代3位、MLBオールスターゲーム選出は実に21回と、伝説のメジャーリーガー。
★受賞者
ナ・リーグ:大谷 翔平(ドジャース)(2度目)
メジャリーガー最強打者とも言える栄誉あるハンク・アーロン賞には、ア・リーグは、2年ぶり2度目のアーロン・ジャッジ、ナ・リーグはドジャースの大谷翔平が2年連続2度目で選出された。
ジャッジ、大谷、ともに各リーグの二冠王として文句無しに受賞しました。
2024年ハンク・アーロン賞受賞者成績 | 出場試合 | 打率 | 本塁打 | 打点 | 盗塁 | OPS | WAR | |
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ア・リーグ | アーロン・ジャッジ | 158 | .322 | 58 | 144 | 10 | 1.159 | 11.2 |
チーム名/順位 | ヤンキース | 8位 | 2位 | 1位 | 1位 | 24位 | 1位 | 1位 |
ナ・リーグ | 大谷 翔平 | 159 | .310 | 54 | 130 | 59 | 1.036 | 9.1 |
チーム名/順位 | ドジャース | 7位 | 2位 | 1位 | 1位 | 2位 | 1位 | 1位 |
大谷翔平の2年連続での受賞は2019年イエリッチ(ブルワーズ)以来、史上6人目。
両リーグでの受賞はメジャー史上初の快挙。
大谷翔平は、今季は2021年のブレイク以来、初めての打者専任として、打率.310、54本塁打、130打点、59盗塁、全てにおいてメジャーキャリアハイをマーク。
以下が、今季、大谷翔平が達成した主な記録です。
・メジャー史上初の“50-50”(50本塁打・50盗塁)
・日本人選手初となる本塁打と打点の“二冠王”
・日本人選手初となる2年連続のホームラン王
・メジャー史上、マーク・マグワイア以来二人目の両リーグでのホームラン王
(異なるリーグでの2年連続本塁打王はメジャー史上初)
・日本人選手初となるトリプルスリー(打率3割・30本塁打・30盗塁)
11月15日:最優秀救援投手賞
最も優秀な成績を収めた救援投手に与えられる賞。
アメリカンリーグとナショナルリーグでそれぞれ「マリアノ・リベラAL最優秀救援投手賞」と「トレバー・ホフマンNL最優秀救援投手賞」と呼ばれています。この賞は各リーグの伝説の救援投手であるマリアノ・リベラ(ヤンキース・MLB歴代1位の通算652セーブ)とトレバー・ホフマン(パドレスなど・MLB歴代2位の通算601セーブ、史上初めての通算600セーブ達成者)にちなんで命名されました。
2005年から行われていた最優秀救援投手賞に変わって2014年に設立されました。
★受賞者
ア・リーグ:エマニュエル・クラセ(ガーディアンズ)
ナ・リーグ:ライアン・ヘルズリー(カージナルス)(初受賞
クラセ(26)は、47セーブ、防御率0.61をマークし、現在ア・リーグの3年連続セーブ王のガーディアンズの絶対的守護神。
ヘルズリー(30)は、最速168キロの剛腕で、今季カージナルスの球団新記録となる49セーブをマークし、嬉しい初受賞。
11月15日:エドガー・マルティネス賞
年間で最も活躍した指名打者に贈られる賞。(2022年以降)全リーグで一人だけに贈られる。
1973年の設立当初は「最優秀指名打者賞」でしたが、MLBの歴史上本格的な指名打者として大活躍した史上最高の指名打者エドガー・マルティネスの功績を称えて2004年に改称されました。
指名打者(DH)制度は、2021年までは指名打者制度を採用しているアメリカンリーグだったので、アメリカンリーグのみの賞となっていましたが、2022年よりナショナルリーグも指名打者制度を正式に採用したため全リーグで対象となりました。
現在、2021年から2023年までは、大谷翔平が三年連続で受賞中。
史上最多は、デビッド・オルティーズの8度。
★受賞者
ドジャースの大谷翔平が4年連続で選出された。4年連続はデービッド・オルティスの5年連続(03~07年)以来、史上2人目。
通算5度の史上最高のDHエドガー・マルティネスまであと1回で並びます。
まだ、ドジャースとの10年契約の1年目。一体どこまで記録を伸ばすのでしょうか。
エドガー・マルティネス受賞回数ランキング | 受賞回数 | |
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1位 | デビット・オルティーズ(レッドソックス) | 8回 |
2位 | エドガー・マルティネス(マリナーズ) | 5回 |
3位 |
大谷 翔平(ドジャース)※現役 |
4回 |
4位 | ハル・マクレー(ロイヤルズ) | 3回 |
11月15日:MLBカムバック賞
故障やスランプにより一度大きく成績を落としたが復活し素晴らしい成績を残した選手に送られる賞。2005年より表彰が始まりました。
また1965年から始まったより歴史の深い「スポーティング・ニュース社」のカムバック賞も存在します。
2024年のスポーティング・ニュース・カムバック賞は先に発表されていて、ブラディミール・ゲレーロJr.が受賞しました。
★受賞者
ア・リーグ:ギャレット・クローシェ(ホワイトソックス)(初受賞
ナ・リーグ:クリス・セール(ブレーブス)(初受賞
ナ・リーグは、投手三冠に輝いたクリス・セール(35)。
元々リーグ随一の奪三振王のセールは、レッドソックスの世界一に貢献した2018年以降調子が上がらず、怪我などもあり第一線で活躍できず、遂には2023年にレッドソックスを放出されました。その新天地ブレーブスでまさかのキャリアハイの18勝、防御率2.38、投手三冠にも輝く大活躍で見事復活を果たした。オールMLBのファーストチームに35歳にして初受賞、全盛期に惜しくも逃し続けた悲願のサイ・ヤング賞の受賞も確実となっています。
ア・リーグは、209奪三振を記録したギャレット・クローシェ(25)。
2020年にMLBドラフト1巡目(全体11位)で指名されると、その年マイナーリーグを経由せずいきなりメジャーデビュー。史上22人目の快挙でした。翌年リリーバーとして活躍したが2022年に怪我をし、2024年は本来の先発に戻ると大活躍し、復活を果たしました。
11月19日:新人王
最優秀新人選手賞(新人王)は、メジャーリーグにおいて、その年のシーズンで最も活躍した新人選手に贈られる賞。アメリカンリーグ・ナショナルリーグからそれぞれ1人が選ばれる。
今年のア・リーグの新人王最終候補は、以下の3選手による争い。
①24本塁打を放った外野手のコルトン・カウザー(24・オリオールズ)
②15勝7敗、防御率3.50の成績を残した右腕ルイス・ヒル(26・ヤンキース)
③捕手ながら13本塁打を放った捕手のオースティン・ウェルズ(25・ヤンキース)
ナ・リーグの新人王最終候補は、
①ドラフトから1年も経たない今年5月にメジャーへ昇格、11勝3敗、防御率1.96と圧倒的な成績の怪物右腕ポール・スキーンズ(22・パイレーツ)
②走攻守三拍子そろった左打ちの外野手、リーグ5位の打率.292に24本塁打16盗塁のジャクソン・メリル(21・パドレス)
③今季メジャー未経験で120億円超の大型契約を結んだスーパースター候補、21本塁打22盗塁のジャクソン・チョウリオ(20・ブルワーズ)
今季15勝を挙げた今永昇太(カブス)はノミネートされた惜しくも最終候補からは漏れた。
★受賞者
ア・リーグ:ルイス・ヒル(26・ヤンキース)
ナ・リーグ:ポール・スキーンズ(22・パイレーツ)
ア・リーグは、ルイス・ヒル(26・ヤンキース)。
ヤンキースに彗星のごとく現れたヒル。
2021年にメジャーデビューしたが、怪我で2年間わずか1登板のみ。昨年もわずか6登板の投手が、2024年、コールに代わって開幕ローテーションに入ると、1年間ローテーションを守り抜き、29先発で15勝7敗、151回2/3を投げて防御率3.50、171奪三振をマークし、球団15年ぶりのリーグ優勝に貢献しました。
ナ・リーグは、予想通り、23年ドラフト全体1位の怪物投手ポール・スキーンズ(22・パイレーツ)。
大谷翔平との初対決はその剛速球で大谷から三振を奪ってさらに注目を浴びました。(2打席目はホームランを打たれる)
今季、プロ入り後すぐにメジャーデビューし、23試合で11勝3敗、防御率はなんと1.96という素晴らしい成績を上あげ、サイ・ヤング賞の最終候補にまで残っている怪物投手が2024年の新人王に輝きました。
両リーグで先発投手が新人王に輝いたのは、43年ぶりとなりました。
メジャー1年目でブレイクした今永昇太は4位。
11月20日:最優秀監督
★受賞者
ア・リーグ:ア・リーグ:ガーディアンズのスティーブン・ボート監督(40)
ナ・リーグ:ブルワーズのマーフィー監督(65)
両リーグの監督はともに就任1年目での初受賞。
ボート監督は、強打の捕手で現役引退からわずか2年での史上最速受賞となりました。
ボート監督が記者30人のうち、1位票を27票と圧勝で受賞しました。
マーフィー監督は球団史上初受賞。メジャーの選手ではなく大学野球やマイナーで監督を務めてきた人。ナ・リーグの最優秀監督賞に選出されたマーフィー監督は1位票が27票、2位票が3票で合計144ポイント。こちらも圧勝での受賞でした。4年ぶりのワールドシリーズ制覇を果たして絶賛されたドジャースのデーブ・ロバーツ監督はまさかのナ・リーグ7位でした。
11月21日:サイ・ヤング賞
年間で最も活躍した投手に贈られる賞。各リーグで一人ずつ選出される。
★受賞者
ア・リーグ:タリク・スクーバル(タイガース)(初受賞)
ナ・リーグ:クリス・セール(ブレーブス)(初受賞)
ア・リーグは、投手三冠のスクーバル。
今季31試合に登板して18勝4敗、防御率2.39、228奪三振、WHIP0.92の成績を残し、満票での受賞となりました。
ナ・リーグも、同じく投手三冠のセール。
メジャー14年目の35歳のセールは、リーグ屈指の奪三振王ですが、これまでサイ・ヤング賞の受賞には届きませんでした。2020年に開幕前にトミー・ジョン手術を受けて全休、21年〜23年の3年間でわずか11勝。昨年、レッドソックスを放出され、ブレーブスに移籍した今季。その新天地で29試合で18勝3敗、防御率2.38、225奪三振、WHIP1.01と投手三冠の大活躍。
悲願のサイ・ヤング賞とカムバック賞を同時受賞しました。
(投票内訳は1位票が26票、2票が4票の198ポイント)
両左腕ともに勝利数、防御率、奪三振の投手3冠に輝いており、下馬評通りの受賞と
なりました。今永昇太、ルーキーイヤーながら15勝を挙げ、5位でした。
11月22日:MVP
年間で最も活躍した選手に贈られる賞。
大谷翔平が受賞は確実で、自身の史上初の記録を更新する3度目の満票受賞なるかが最大の注目がされている今年のMVP。
結果はどうなるでしょうか。
★受賞者
ア・リーグ:アーロン・ジャッジ(ヤンキース)(2度目)
ナ・リーグ:大谷翔平(ドジャース)(3度目)
ア・リーグは、アーロン・ジャッジが2度目の受賞!自身初の満票受賞!
ナ・リーグは、大谷翔平が、自身のメジャー史上初の記録を更新する3度目の満票受賞の快挙!
ア・リーグは、アーロン・ジャッジ( 32)(1位票30票※満票)。
現役選手唯一の60本塁打超えを果たしているメジャー一のホームランバッター。
今季の成績は、打率.322(3位)、59本塁打(1位)、144打点(1位)、盗塁10(ー)、OPS1.159(1位)。
大谷翔平と同じ本塁打・打点の二冠王に輝きました。本塁打、打点、OPSは、大谷をも大きく上回るリーグ全体で1位と圧倒的な打棒をふるいました。
2位は、ロイヤルズのウィットJr.(24)(2位票30票※満票)。成績は、打率.332(1位)、32本塁打(9位)、109打点(4位)、盗塁31(8位)、OPS.977(3位)
野球の花形であり負担の大きいショートでありながら素晴らしい活躍をしたウィットJr.が文句なしの2位。
3位は、ジャッジと同僚のヤンキースのファン・ソト(26)(3位票21票)。
今季ヤンキースに移籍した若き天才スラッガー。
ナ・リーグは、メジャー史上初の50-50を達成した大谷翔平(30)(1位票30票※満票)。
今季の成績は、打率.310(2位)、54本塁打(1位)、130打点(1位)、59盗塁(2位)、OPS1.03(1位)。
そして、意外と見逃されがちですが、塁打数の411も見逃せない大記録です。これは、メジャー史上のスーパースター達にことごとく並ぶ驚異の成績でした。それも、多くはステロイド時代の選手でした。アメリカではこの塁打数が三冠王より価値がある強打者の指標とまで言われているようです。長打と走塁、両方の能力があってなし得る成績だからです。
2位はメッツのリンドーア(31)(2位票23、3位票7票)。
メジャー随一のショートストップの一人、好打堅守で今季も好成績を残しました。
3位は、ダイヤモンドバックスのマルテ(31)(2位票5、3位票13票)。
やはりリンドーア同様、重要なポジション2塁を守りながら、好成績を残しました。
DHのライバルとして終盤まで三冠王レースを戦ったオズーナは、4位(2位票1、3位票6票)でした。
大谷翔平は3度目の受賞で、しかもメジャー史上初の満票受賞。
今年のMVP受賞は記録づくめの受賞となりました。
①3度目の満票受賞はメジャー史上初(自身の記録を更新)
②3度目の受賞はメジャー史上11人目(歴代2位タイ)
エンゼルス時代の2021、2023年に続く2年連続3度目。
③両リーグでの受賞はメジャー史上2人目
フランク・ロビンソン(1961年レッズ、1966年オリオールズ)以来。リーグをまたいだ2年連続の受賞は初となる。
④リーグをまたいでの2年連続の受賞はメジャー史上初
⑤DH選手としての受賞はメジャー史上初
大谷は今季、DHとして史上最高のWAR(=勝利貢献度)「9.2」マーク。これまでシーズンの65%以上を指名打者として出場した選手の中では「史上最高のDH選手」と称されてきたエドガー・マルティネスがマリナーズ時代の1995年に記録した「7.0」を大幅に更新した。これまでDHは守備につかないため、守備の貢献度も評価材料にするMVPの受賞は圧倒的に不利で、これまで一人も受賞者がいませんでした。大谷翔平はその圧倒的不利を、圧倒的な打撃・走塁成績で上回っての史上初の受賞となりました。
MVP史上1位はバリー・ボンズの7回。
大谷が来年以降どれだけMVPを受賞するか、これからも注目ですね。
11月23日:ハート&ハッスル賞
受賞ウィーク最後の賞は、ハート&ハッスル賞は、野球の伝統と精神を体現するような熱いプレーを続けた選手に贈られる賞。現役とOB選手、ファンの投票によって選出されます。
★受賞者
ボビー・ウィットJr.(ロイヤルズ)(初受賞
ボビー・ウィットJr.は、今季、ショートストッパーとして161試合に出場し打率3割3分2厘で首位打者に輝き、32本塁打、109打点、31盗塁で「30本塁打、30盗塁」を達成し、MVP級の活躍をしました。
初のオールスターに選出され、ア・リーグMVP投票では惜しくもヤンキースのアーロン・ジャッジ外野手(32)に敗れ、ジャッジに次ぐ2位の票を満票で獲得しました。
今季の受賞ウィークは大谷翔平の話題で盛り上がりました。
来年はどんな受賞ウィークになるのでしょうか。
来年もお伝えできればと思います。
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