
最近では、2022年大谷選手がサイ・ヤング賞候補になったとか、
ドジャースのカーショウが3度サイ・ヤング賞を獲得している名投手だとか、
メジャーの試合やニュースを見ているとよく聞く「サイ・ヤング賞」。
このサイ・ヤング賞とは、一体なんだと思いますか?
メジャーリーグの「サイ・ヤング賞」とは、メジャーリーグ(MLB)でその年に最も優れた投手に贈られる賞です。
アメリカンリーグ(AL)とナショナルリーグ(NL)の各1名ずつに与えられます。
日本の野球では沢村賞に値する投手における最高の賞です。
この投手最高の栄誉である「サイ・ヤング賞」について詳しく紹介していきます。
サイ・ヤング賞とは?
メジャーリーグのサイ・ヤング賞とは、メジャーリーグ(MLB)でその年に最も優れた投手に贈られる賞です。
アメリカンリーグ(AL)とナショナルリーグ(NL)の各1名ずつに与えられます。
サイ・ヤング賞は、1年に両リーグでたった1人、それも個人タイトルよりも価値のある最高の賞ですので、歴代のサイ・ヤング賞投手を知れば、メジャーの代表的な投手を網羅できると言っても過言ではありません。
次の章から紹介していきます。
また、日本人投手がサイ・ヤング賞にどこまで迫れているのかも最後の章で紹介します。
サイ・ヤング賞の名前の由来は?
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サイ・ヤングは1867年生まれ(~1955年没)で、19世紀末期から20世紀初頭に活躍した名投手です。
通算の先発数(815)、完投数(749)、勝利数(511)、敗戦(316)、投球回(7356.0)など多くのメジャー歴代一位の記録を持っています。
投手三冠1度、ノーヒット・ノーランを2回、完全試合を1回、投手タイトルを実に11回獲得しているとんでもない投手でした。
サイ・ヤング賞の選考基準
- 防御率(ERA)
- 奪三振率
- 勝利数
- WHIP(1イニングあたり出塁をどれだけ許したか)
- 投球回数
- 与四球率
- FIP/WAR(守備や運の影響を補正し実力を可視化したもの)
- チームへの貢献度・安定感
多くの指標から総合的な優劣で判断されます。
近年はチームの力に左右される「勝ち星」よりも個人の力が強く影響する「奪三振率」や「FIP(投手の実力指標)」など、
データ分析的な評価も重視される傾向にあります。
最多勝とか奪三振タイトルとか一タイトルだけでなく、より総合的に判断されるため、サイ・ヤング賞は、どのタイトルよりも価値が高く、その年の「最強、最高の投手」と言われるゆえんです。
サイ・ヤング賞の受賞者
歴代最多受賞は、ロジャー・クレメンスの7回※。
2位は、ランディ・ジョンソンの5回。
3位はスティーブ・カールトンと、グレッグ・マダックスの4回。
連続受賞記録はグレッグ・マダックスとランディ・ジョンソンの4年連続。
一方、アメリカで圧倒的な人気を誇った、ノーヒットノーラン(7回)や通算奪三振(5174個)のMLB最多記録を持つノーラン・ライアンは一シーズンでの奪三振MLB記録を更新した1973年のアメリカン・リーグ投票で2位になったのが最高で、選手生活の中では受賞できませんでした。
※ロジャークレメンスは、薬物疑惑があり、グレーな記録となっている。
サイ・ヤング賞の受賞回数ランキング
| 歴代サイ・ヤング賞複数受賞回数ランキング | |||
|---|---|---|---|
| 順位 | 投手名 | 回数 | 年度 |
| 1 | ロジャー・クレメンス | 7 | 1986, 1987, 1991, 1997, 1998, 2001, 2004 |
| 2 | ランディ・ジョンソン | 5 | 1995, 1999, 2000, 2001, 2002 |
| 3 | スティーブ・カールトン | 4 | 1972, 1977, 1980, 1982 |
| グレッグ・マダックス | 4 | 1992, 1993, 1994, 1995 | |
| 5 | サンディー・コーファックス | 3 | 1963, 1965, 1966 |
| トム・シーバー | 3 | 1969, 1973, 1975 | |
| ジム・パーマー | 3 | 1973, 1975, 1976 | |
| ペドロ・マルティネス | 3 | 1997, 1999, 2000 | |
| クレイトン・カーショウ ※現役 | 3 | 2011, 2013, 2014 | |
| ジャスティン・バーランダー ※現役 | 3 | 2011, 2019, 2022 | |
| マックス・シャーザー ※現役 | 3 | 2013, 2016, 2017 | |
| 12 | デニー・マクレイン | 2 | 1968, 1969 |
| ゲイロード・ペリー | 2 | 1972, 1978 | |
| ボブ・ギブソン | 2 | 1968, 1970 | |
| ブレット・セイバーヘイゲン | 2 | 1985, 1989 | |
| トム・グラビン | 2 | 1991, 1998 | |
| ロイ・ハラデイ | 2 | 2003, 2010 | |
| ヨハン・サンタナ | 2 | 2004, 2006 | |
| ティム・リンスカム | 2 | 2008, 2009 | |
| コーリー・クルーバー | 2 | 2014, 2017 | |
| ジェイコブ・デグロム ※現役 | 2 | 2018, 2019 | |
| ブレイク・スネル ※現役 | 2 | 2018, 2023 | |
日本人のサイ・ヤング賞受賞者は?
多くの日本人投手がメジャーに渡りましたが、現在、日本人のサイ・ヤング賞受賞者はいません。ただ、これまでサイ・ヤング賞まで最高順位は、後一歩の2位が2人(ダルビッシュ、前田)、3位が1人でした(岩隈)。
| 日本人投手のサイ・ヤング賞候補 | |||
|---|---|---|---|
| 投手名 | 得票順位 | 年度 | |
| 野茂英雄 | 4 | 1995 | |
| 野茂英雄 | 4 | 1996 | |
| 斎藤隆 | 8 | 2006 | |
| 松坂大輔 | 4 | 2008 | |
| ダルビッシュ 有 | 9 | 2012 | |
| ダルビッシュ 有 | 2 | 2013 | |
| 岩隈 久志 | 3 | 2013 | |
| 上原浩治 | 7 | 2013 | |
| 田中将大 | 7 | 2016 | |
| ダルビッシュ 有 | 2 | 2020(コロナにより短縮シーズン) | |
| 前田 健太 | 2 | 2020(コロナにより短縮シーズン) | |
| 大谷翔平 | 4 | 2022 | |
| 山本由伸 | ? | 2025 | |
ダルビッシュの2度目の候補と、前田健太は、半分以下の短縮シーズンなので、もいろんすごいことですが、評価は多少落ちるかと思います。
フルシーズンで候補となったダルビッシュの一回目の2位と岩隈久志の3位は、特に素晴らしい実績かと思います。
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直近では、大谷翔平が2022年に4位となっています。
そして、今年は、ポストシーズンで歴史的な活躍をした山本由伸がレギュラーシーズンでの活躍も素晴らしく、11/4に見事ノミネートされました。
受賞はライバルも素晴らしい成績なので厳しいかと思いますが、たとえ受賞できなくても十分素晴らしいことです。
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来年は、日本人としては、山本由伸と大谷翔平の2人でサイ・ヤング賞を争ってほしいですね。十分可能性があることですので、すごい時代になったものだと思います。
以上、サイ・ヤング賞の解説でした。
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