野球で重要な守備の要、ショートストップ(遊撃手)。
メジャーリーグではショートは日本のプロ野球以上に評価されている守備の花形ポジション。
では、メジャーリーグで現役最強のショートの選手は誰なのでしょうか。
この記事では、メジャーリーグでの現役最強ショートをランキング化してみました。
守備の花形「ショートストップ」 とは?
スポーツには花形のポジションがあります。
アメリカンフットボールならクォーターバック、サッカーならFW(フォワード)やトップ下。
野球の花形は「ショートストップ(遊撃手)」。
メジャーリーグでは、ショートのポジションの選手は、投手よりも人気の高いポジションです。
MVPの重要な指標となるWARでは、投手を除く全ポジションの中、捕手に次いで二番目に重要な守備位置に設定されています。捕手と並び守備の負担が大きい遊撃手は、必然的に身体能力の高さが求められます。よって、ショートストップは、守備力も高く打撃面でも優秀な選手が多くなります。
いわば、メジャーの「最強のショートストップ」こそがメジャーの最強選手とも言えなくもない存在なのです。
次項より現役で最強のショートストップランキングを紹介します。
現役最強ショートストップ TOP10ランキング
まず過去直近3年間(2021年〜2023年)の最強ショートストップランキングです。
これは、毎年1~2月に発表されるMLBネットワークのポジション別ランキングを元に作成しています。
累積ポイントは、1位が最大で10pt、以下順位が1つ下がるほど1pt減っていくようにしてランキング化しています。10位は1pt、圏外は0ptです。
順位 | 2022年ショートTOP10選手 | チーム名 | 累積ポイント |
---|---|---|---|
1位 | フェルナンド・タティスJr. | パドレス | 10pt |
2位 | トレイ・ターナー | フィリーズ | 9pt |
3位 | カルロス・コレア | ツインズ | 8pt |
4位 | コリー・シーガー | レンジャーズ | 7pt |
5位 | ザンダー・ボガーツ | パドレス | 6pt |
6位 | ボー・ビシェット | ブルージェイズ | 5pt |
7位 | ワンダー・フランコ | レイズ | 4pt |
8位 | フランシスコ・リンドーア | メッツ | 3pt |
9位 | トレバー・ストーリー | ロッキーズ | 2pt |
10位 | ティム・アンダーソン | ホワイトソックス | 1pt |
順位 | 2023年ショートTOP10選手 | チーム名 | 累積ポイント |
---|---|---|---|
1位 | トレイ・ターナー | フィリーズ | 19pt |
2位 | カルロス・コレア | ツインズ | 17pt |
3位 | ザンダー・ボガーツ | パドレス | 14pt |
4位 | コリー・シーガー | レンジャーズ | 14pt |
5位 | フランシスコ・リンドーア | メッツ | 9pt |
6位 | ダンズビー・スワンソン | カブス | 5pt |
7位 | ボー・ビシェット | ブルージェイズ | 9pt |
8位 | ウィリー・アダメス | ブリュワーズ | 3pt |
9位 | ティム・アンダーソン | ホワイトソックス | 5pt |
10位 | ワンダー・フランコ | レイズ | 4pt |
順位 | 2024年ショートTOP10選手 | チーム名 | 累積ポイント |
---|---|---|---|
1位 | コリー・シーガー | レンジャーズ | 24pt |
2位 | フランシスコ・リンドーア | メッツ | 18pt |
3位 | ザンダー・ボガーツ | パドレス | 22pt |
4位 | ダンズビー・スワンソン | カブス | 12pt |
5位 | トレイ・ターナー | フィリーズ | 25pt |
6位 | ボー・ビシェット | ブルージェイズ | 14pt |
7位 | カルロス・コレア | ツインズ | 21pt |
8位 | ウィリー・アダメス | ブリュワーズ | 6pt |
9位 | ボビー・ウィットJr. | ロイヤルズ | 2pt |
10位 | J・P・クロフォード | マリナーズ | 1pt |
過去直近3年間のトータルで累積ポイントが高い順にランキング化しました。
順位 | 2022年〜2024年直近3年ショートTOP10選手 | チーム名 | 累積ポイント |
---|---|---|---|
1位 | トレイ・ターナー | フィリーズ | 25pt |
2位 | コリー・シーガー | レンジャーズ | 24pt |
3位 | ザンダー・ボガーツ | パドレス | 22pt |
4位 | カルロス・コレア | ツインズ | 21pt |
5位 | フランシスコ・リンドーア | メッツ | 18pt |
6位 | ボー・ビシェット | ブルージェイズ | 14pt |
7位 | ダンズビー・スワンソン | カブス | 12pt |
8位 | フェルナンド・タティスJr. | パドレス | 10pt |
9位 | ウィリー・アダメス | ブリュワーズ | 6pt |
10位 | ティム・アンダーソン | ホワイトソックス | 5pt |
1位はトレイ・ターナー(フィリーズ)、2位はコリー・シーガー(レンジャーズ)、3位はザンダー・ボガーツ(パドレス)、4位はカルロス・コレア(ツインズ)、5位はフランシスコ・リンドーア(メッツ)、6位はボー、ビシェット(ブルージェイズ)、7位はダンズビー・スワンソン(カブス)、8位はフェルナンド・タティスJr.(パドレス)、9位はウィリー・アダメス(ブリュワーズ)、10位はティム・アンダーソン(ホワイトソックス)でした。
※同点の場合、最高順位が高い方を優先
直近3年間の現役最強ショートは、
現役最強ショートTOP5選手紹介
トレイ・ターナー
ニックネームは「トリプルT」。
MLBの中でも最も足の速い選手の1人と言われるほど圧倒的なスプリント能力のある選手。
2023年は打率.266、26本塁打、76打点、30盗塁を記録し、盗塁は盗塁死0を記録し、
シーズンにおける盗塁死なしの盗塁数で史上最多記録を更新。
シュアな打撃も持ち味で高い打率を誇る。
MLB史上最多タイとなる3度のサイクル安打を達成。
首位打者1回、盗塁王2回。
コリー・シーガー
打率3割近いアベレージと長打力を兼ね備えた打撃力、守備、走塁ともに高いレベルの選手。
2020年に在籍していたドジャースや2022年に在籍していたレンジャーズでは、ワールドシリーズ制覇に貢献。
特に2020年は、リーグチャンピオンシップシリーズとワールドシリーズを連続してMVPを受賞。
2022年は、ワールドシリーズで3本塁打し、2回目のMVPを受賞。両リーグでのワールドシリーズMVP獲得は、シーガーがMLB史上初の快挙。大舞台に非常に強い選手。
ザンダー・ボガーツ
20歳と若くしてメジャーデビューし翌年レギュラーに定着。
高い打率に長打力もあり、打撃は申し分なし。
ただし、守備面で難あり。
2024年は、正ショートはキム・ハソン、ボガーツは主に二塁手を守った。
カルロス・コレア
安定した打撃を例年残しつつ、高いフィールディング能力と強肩と守備力はMLBショート随一。
不動の遊撃手としてアストロズの黄金期を支えたコレアは、2017年に球団史上初となるワールドシリーズ制覇に貢献し、2021年は自身初のゴールドグラブ賞を獲得した。
2021年は、ワールドシリーズ第6戦までで、ユリ・グリエル、ホセ・アルトゥーベ、アレックス・ブレグマンとそろって先発出場し、4人そろってのポストシーズン先発出場試合を同一カルテットとしてのMLB史上最高記録となる73試合まで伸ばした。
妹のレイバイサンドさんは、大谷翔平の大ファンで大谷と面会したことが話題になった。
フランシスコ・リンドーア
ニックネームは「ミスター・スマイル」。
抜群の守備力を誇り、21歳でルーキーで正ショートを奪取。いきなり3割と高い打率も残した。
小柄ながら30本塁打前後をコンスタントに打つパワーに、盗塁能力も高く、
リーグ屈指の守備力と高い打撃力、走塁能力を兼ね備えた選手。
2021年シーズン開幕前にメッツへとトレードされ、その後10年3億4100万ドルという超巨額契約を結ぶ。
今年も活躍し、ナ・リーグに移ってきた大谷選手とのMVP論争の話題に上がっています。
2024年シーズン終了時点での現役最強ショート
MLBネットワークのランキングは、毎年シーズンオフの翌年1~2月発表なので、基本的には前年のシーズン成績を元に作成されているランキングです。
ですので、最新の2024年のランキングは、実質2023年のレギュラーシーズンを終えた時点でのランキングともいえますので、今シーズンのレギュラーシーズンの成績は反映されていません。
今シーズンの成績を反映した2024年の最新ランキングは来年1月に発表されますが、
ここでは、「WAR」という指標を使って、2024年の現役最強ショートストップをランキング化してみました。
※WARとは、MVPを決める上での重要な成績指標で、打撃+走塁+守備+投球を総合的に評価して、選手の貢献度を表す指標(その選手が、控え選手と比較して積み上げられる勝利数)です。
順位 | 2024年ショート WAR TOP10選手 | チーム名 | WAR(全体順位) |
---|---|---|---|
1位 | ボビー・ウィット・ジュニア | ロイヤルズ | 10.4(全体2位) |
2位 | ガナー・ヘンダーソン | オリオールズ | 8.0(全体5位) |
3位 | フランシスコ・リンドーア | メッツ | 7.8(全体6位) |
4位 | エリー・デラクルーズ | レッズ | 6.4(全体9位) |
5位 | ウィリー・アダメス | ブリュワーズ | 4.8(全体19位) |
6位 | コーリー・シーガー | レンジャーズ | 4.5(全体21位) |
7位 | ダンスリー・スワンソン | カブス | 4.3(全体23位) |
8位 | トレイ・ターナー | フィリーズ | 3.9(全体37位) |
9位 | エセキエル・トーバー | ロッキーズ | 3.7(全体40位) |
10位 | メイシン・ウィン | カージナルス | 3.6(全体43位) |
WARで見る2024年シーズンを終えての現役最強ショートは、ボビー・ウィットJr.(ロイヤルズ)でした。
注目は、ショートの選手が全ポジションを含めた全体順位トップ10に4人も入っています。
WARの評価基準では、6.0以上はMVP級、5.0 - 6.0は、スーパースター級、4.0 - 5.0はオールスター級、3.0 - 4.0は、好選手、2.0 - 3.0は、レギュラー選手、1.0 - 2.0は、先発メンバー、1.0以下は、控え選手とされていますので、上位4人はMVP級の活躍と言えます。上位4人が全体順位の上位に入っているのは当然の結果ですね。
やはり、ショートストップは野球界で勝敗を分ける重要な存在となっています。
今シーズン、若手のボビー・ウィットJr.、ガナー・ヘンダーソン、エリー・デラクルーズの若手3選手が大ブレーク、さらに、トーバー、ウィンという若手も成長し、若手の有望ショートが多数TOP10ランキング入り。
これまでのショートランキングが大幅に様変わりしました。
その他トップ10ランキング外にも、ボルペ(ヤンキース)、オニール・クルーズ(ドミニカ)、エイブラムス(ナショナルズ)、ネト(エンゼルス)、ロキオ(ガーディアンズ)と有望な若手が続々と成長しています。
世代交代が着実に近づいています。
2~3年後には、ショートのランキングが全く違うものになっている可能性があります。
以上、現役最強ショートランキングでした。
今後のメジャーリーグの花形ショートストップの選手たちに大注目です。
あなたの好きなショートストーパーをコメントしてもらえたら嬉しいです。
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