オリオールズのメジャー1年目藤浪晋太郎。
藤浪がポスティングで夢のメジャーデビューを叶えた今季。
賛否両論がありながらもメジャー挑戦を果たしたが、入団したアスレチックスではデビューから数戦は滅多打ちにされ、“史上最悪の先発投手”と揶揄されてしまった。
期待されて入団し先発登板したのは4/1から4/22までのわずか4戦。その4戦で24失点し、先発から救援へ降格すると、救援でも結果が出せない日々が続いたが、徐々によくなっていく。
そして、そこそこの数字を残すと、7月(7/19)オリオールズに電撃移籍。しかし、オリオールズは優勝争いをする強豪でそれなりの成績を残していた藤浪にとっては栄転と言えた。
移籍先のオリオールズでは見違えるほどの成績を残した。数ヶ月前までは史上最悪の先発投手と呼ばれていた藤浪が、オリオールズの頼れる救援投手の一人となった。
《メジャー1年目の成績》
79回を投げて7勝8敗2セーブ5ホールド、防御率7.18、83奪三振。
アスレチックスからオリオールズへの移籍で成績急上昇
藤浪晋太郎投手は今シーズン、プロ野球 阪神からアスレティックスにポスティングで加入。開幕2戦目4月1日のエンジェルス戦で先発投手としてメジャーデビューを果たす。
しかし、デビュー戦は、1回、2回を3人で抑えたが、3回にフォアボールをきっかけに崩れ、ノーアウト満塁から同学年の大谷翔平選手にタイムリーヒットを打たれるなど、3回途中、8失点でデビュー戦は黒星。
そこから藤浪は、開幕から4戦連続で先発としてマウンドに上がる。しかし、160キロのストレートと150キロのスプリットで三振を奪うものの突然、制球を乱して崩れる展開が続き、最初の登板から4連敗を喫す。2回1/3で8失点、4回1/3で5失点、6回で2失点、2回1/3で8失点で、4戦15回を投げて23失点。
防御率は14.40(=1試合9回を投げると14点取られる)と惨憺たる成績で、早くも先発投手から降格してリリーフに回ることになる。
しかし、藤浪にはリリーフ転向が良化のきっかけとなる。
短い回であまりランナーを背負わないこともあり、速球のコントロールに安定感が出だし、徐々に調子が上向き、6月は10試合に登板して防御率は3.97、7月は7試合に登板して防御率2.25とする。4、5月は苦しんだが、6月以降は3勝3敗、防御率3.26。
デビューからここまでの成績は34試合に登板して5勝8敗、防御率8.57。リリーフとしてはまずまずの成績を上げ、防御率は一気に下がっていた。
そして、7/19、藤浪晋太郎投手がトレードでオリオールズに電撃移籍することになる。
移籍先のオリオールズはヤンキースやレッドソックスなどの強豪がそろうアメリカンリーグ東部地区で首位を走る強豪チーム。2016年以来、7年ぶりのプレーオフ進出を目指していて、防御率4位の投手陣補強のために藤浪を獲得した。アメリカンリーグ西部地区の最下位アスレティックスから、アメリカンリーグ東部地区の首位のチームへの栄転だった。
オリオールズでは、リリーバーとして回またぎまで任されるまでになり、優勝を争うチームのリリーバーの一人として活躍し、オリオールズでの7/21から10/1の登板で、29.2回を投げ、2勝0敗2セーブ2ホールド、32奪三振、防御率4.85。
アスレチックスでの成績とは見違えるほどの成績を残した。
大谷を超え、日本人メジャー史上最速の165.1キロをマーク
アスレチックスからオリオールズに移籍し、リリーバーとして活躍した藤浪は、8/6、ニューヨーク・メッツ戦に4番手として8回にマウンドへ上がった藤浪は、1イニング(9球)を投げ、被安打0、無失点、2奪三振とパーフェクトピッチング。
その投球で、日本人投手最速となる102.6マイル(約165.1キロ)をも記録しメジャーで存在感を見せつけた。
それまでメジャーでの日本人最速記録保持者は大谷翔平。その大谷が保持していた日本人最速記録を1.9キロ上回った。ようやく二刀流の成功で遠い存在になった同級生大谷に一歩近付いた日となった。この日の圧巻の9球の投球を、ポッドキャスト番組『Off ScRIPt』のホストを務めるライアン・リプケン氏は、「9球を投げ9ストライク。ほぼ完璧なイニングで、圧倒的なパフォーマンスだった!」と絶賛し「これがフジナミの実力だ。もっと安定した投球ができれば、球界最高のリリーフ投手になれるだろう」と期待を込めて言った。
2.佐々木 朗希(ロッテ)=165キロ(2023年)
3.千賀 滉大(現・メッツ)=164キロ(2022年)
藤浪は来季どのチームでプレーするのか。
トレード移籍が濃厚とされているが、オリオールズ移籍の可能性も残っている。
来季の藤浪の未知の可能性に注目。