今オフ、再注目のFAの目玉、エンゼルス 大谷翔平が入団するチームがついに決まった。
エンゼルスからFAとなっていた大谷翔平投手はこの日まで他のチームに配慮し正式発表までひたすら沈黙を続けていて、米メディアで議論を巻き起こす事態にまで発展していた。
その大谷翔平が12/9日(日本時間12/10日)、遂に自身のInstgramで、ドジャースと10年総額7億ドル(約1014億円)の超大型契約を結ぶことで合意したと発表した。
メジャーリーグ史上最高額
前例のない二刀流・大谷のFA争奪戦がついに決着した。
大谷を射止めたドジャースは、大谷とは高校時代からの縁があり、花巻東1年時から熱心にスカウティングをしていた。大谷も2012年ドラフトで1位指名した日本ハムから説得されるまで、高校卒業後にドジャース入りする意思を固めていた。
2018のポスティング時はナ・リーグは指名打者(DH)制がなかったため、エンゼルスを選んだが、2022年からドジャースのナ・リーグもDH制が導入され、先発投手&指名打者の二刀流として活躍できる幅が広がた。そういう背景もあり今FA、念願のドジャース入りとなった。
夢のメジャーリーグで世界一の選手、夢のドジャース、夢のワールドシリーズ制覇、と大谷は決してブレずに合理的に次の自身の夢を選んだだけかもしれない。
今オフ、大谷は、ワールドシリーズ終了から一夜明けた11月2日(同3日)に初めてFAとなった。同14日(同15日)にはエンゼルスから提示されていた1年2032万5000ドル(約30億5000万円)のクオリファイング・オファー(QO)を拒否。
大谷は、6年目の今季、44本塁打を放って日本選手初の本塁打王を獲得した。打率.304、95打点、20盗塁の好成績で、OPS1.066は両リーグトップ。投手では9月に右肘靱帯の手術を受けたものの23試合登板し10勝5敗、防御率3.14で、終盤まではサイ・ヤング賞候補に挙がるほど好成績。2年ぶりの最優秀選手(MVP)を受賞した。2度の満票は史上初の快挙だった。
これほどのメジャー史上最大級のスーパースター大谷ゆえ、メジャー史上最高額6億ドル(約880億円)とも言われる大型契約を結ぶ可能性に注目が集まった。
大谷争奪戦にはドジャース、ブルージェイズ、ジャイアンツ、カブス、エンゼルスなどが参戦。代理人のネズ・バレロ氏は終始、獲得候補の球団に、徹底的なかん口令を敷いた。それは異常な程で一切情報が表に出て来ないことに米メディアからは疑念や批判が噴出する事態にもなっていた。
契約額は、10年総額7億ドル(1014億円)。これは、メジャー史上最高額となる。
実に、過去最高額の2倍近くにものぼる。
メジャーリーグ契約金額ランキング
2.マイク・トラウト(エンゼルス) 12年4億2650万ドル(約618億円)
3.ムーキ・ベッツ(ドジャース) 12年3億6500万ドル(約529億円)
※1 ユーロ =156円、1ドル=145円 として計算
北米スポーツ史上最高額&世界スポーツ史上最高額で名実共に世界一の選手に!
7億ドル(1014億円)は、圧倒的なメジャー史上最高額だが、これは野球界に収まらず、北米スポーツ史上最高額、さらには全世界のスポーツ界史上最高額となる。
これまでの世界スポーツ史上最高額の契約とされるのは、
サッカーのキリアン・エムバぺ22〜25年までの3年で6億3,000万ユーロ(約982億円)
それ以前は、アルゼンチン代表FWリオネル・メッシで、17年11月〜21年6月までスペイン1部リーグのバルセロナと結んだ4年間で約5億5500万ユーロ(約865億円)。
北米4大スポーツ(MLB、NFL、NBA、NHL)では、
NFLチーフスのQBパトリック・マホームズが20~31年シーズンまで結んだ10年5億300万ドル(約729億円)が最高額。
MLBの過去最高額はマイク・トラウト(エンゼルス)が19~30年シーズンまで結んだ12年4億2650万ドル(約618億円)。
メッシ、エムバペ、マホームズという名だたるスーパープレイヤーの契約金額を全て超え、契約金額において大谷翔平は「世界一のスポーツ選手」となった。
世界スポーツ契約金額ランキング
2.キリアン・エムバぺ(サッカー) 3年6億3,000万ユーロ(約982億円)
3.リオネル・メッシ(サッカー) 4年約5億5500万ユーロ(約865億円)
※1 ユーロ =156円、1ドル=145円 として計算
大谷翔平らしい保険なし&後払いという異例の契約内容
大谷翔平の契約額が大リーグ史上最大の10年7億ドル(約1014億円)に達した。当初は6億ドルかと言われていたが、それよりも1億ドル多い驚愕の契約額。しかし、この契約には大谷らしい配慮があったという。
米報道によると、契約を途中で見直したり破棄したりできる権利(オプトアウト権)はなし。
「オプトアウト権」は、メジャーでは一般的に契約条項に盛り込まれる選手の権利。途中でよりよい条件で契約できる選手の保険として盛り込まれることが多い。ましては10年ともなれば周囲の環境や自身の状態など大きく変わる可能性もあるが、大谷はこのオプトアウト権を契約に盛り込まなかった様子。40歳まで“ドジャース確約”、つまり生涯ドジャースという敬意と決意の表れ。
また、大谷の契約金の大部分は後払いとなり、これで自身の年俸を大幅に減らすことができることで、チームの総年俸が規定額を超えた場合に科される「ぜいたく税」を回避できる。もともと、スター軍団の多いドジャースは総年俸が高く、さらにメジャー最高年俸の大谷が加入すると補強に乗り出しにくい。だが、後払いで年俸を抑え、ぜいたく税の規定額まで余裕ができることにより、チームはぜいたく税を気にせずにさらなる補強が可能になる。
大谷が自身の年棒でチームが苦しまないよう、またワールドシリーズ制覇を目指せるよう配慮したとも言われる。
これらは、全て大谷のアイデアだという。
メジャーでは異例の大半を後払いという契約も、大谷はシーズン中はほとんど外出したり遊び回ったりしない選手。ゆえに、40歳で契約終了=恐らく現役引退 後の後払いで良いというのも極めて合理的で納得できる。
超大型契約も、超異例のこれまでのスポーツ選手と違いやはり大谷はお金に執着することなく、世界一のため、他の選手のためにも気配りした大谷らしい契約内容であった。
今季シーズン中に9月に右肘手術を受け、二刀流復活は2025年以降となり、来季は打者に専念する。
まずは、DHで打者として活躍し、念願のプレーオフ進出、悲願のワールドシリーズ制覇を期待したいですね。